糖尿病ケトアシドーシスとは、糖尿病急性合併症である「糖尿病昏睡」のひとつです。
喉の乾き、多尿、全身の倦怠感などの症状に引き続いて急激に発症し、悪化すると呼吸困難や吐き気、嘔吐、腹痛、意識障害などが起こります。
主な原因は、1型糖尿病の発症時、あるいは無治療、治療中断などで血糖コントロール不良に陥り、インスリンの必要性が極端に増加した際などです。2型糖尿病も、無治療、感染症や外傷などで血糖コントロールが悪化した場合に起こります。最近ではSGLT2阻害薬の投与によって、高血糖がなくても糖尿病ケトアシドーシスを起こすことがあると報告されています。
診断時には、脱水症状やアセトン臭(ケトン体増加による甘酸っぱい臭い)、血圧低下、頻脈、深くて大きい呼吸(クスマウル大呼吸)などがみられます。血糖値は300mg/dL以上、高ケトン血症、アシドーシスをきたした状態となります。
治療は、一刻も早く生理食塩水を中心とした輸液によって、水分とナトリウムを補充する必要があります。そのほかには電解質の補正、適切なインスリンの投与によって高血糖とアシドーシスを是正することが重要です。
適切な処置が遅れると死に至ることもありますので、気になる症状があったときには早めに受診しましょう。
【 糖尿病ケトアシドーシス 発症のメカニズム 】
糖尿病ケトアシドーシスは、インスリンが絶対的に欠乏している1型糖尿病に多くみられますが、2型糖尿病でも起こりうる糖尿病急性合併症です。